日本昔話 熊と狐



静かな山奥、夏の盛りに緑が一層濃くなる頃、一匹のクマが涼しい川辺に佇んでいました。大きな体に似合わぬ優しい目をして、水面をじっと見つめています。その隣に、ずる賢そうな顔つきのキツネが現れました。


「よう、クマさん。魚釣りかい?」

「うん。今日はお腹が空いてね。美味しい魚を捕まえたくてさ。」

クマがにっこり笑うと、キツネは何やら企んでいる様子で目を輝かせました。


「それなら、もっといい方法を教えてあげようか?」

「いい方法?」クマは首をかしげます。


キツネはニヤリと笑い、「そうさ。この川には特別な魚がいるんだ。夜になったら、尻尾を川に浸して待つだけで、その魚が飛びついてくるんだよ。」


クマは目を輝かせ、「それはすごい!ぜひ試してみたい!」と興奮気味に言いました。


その夜、クマはキツネの言う通り、尻尾を川に垂らして待ち始めました。冷たい水が心地よく感じる一方で、だんだん夜が更けるにつれて寒さが増してきました。


キツネは近くの茂みからクマの様子をこっそり見ていました。「ふふふ、なんて間抜けなんだ。明日の朝、凍った尻尾を引きずって笑い者になるぞ。」


しかし、夜明け前に状況が変わりました。突然クマの尻尾が大きく引っ張られたのです。「うわっ!なんだこれは!」


驚いたクマが尻尾を引き上げると、そこには巨大な魚がぶら下がっていました。キツネは目を丸くして飛び出しました。「え、そんなはずないだろ!あの話はただの嘘だったのに!」


クマは笑いながら魚を川から引き上げ、「キツネさん、ありがとう。これで今日の食事には困らないよ。」と言いました。


キツネは歯ぎしりしながら、「計算外だ…。」と呟きました。


その日以降、クマはキツネの言うことに注意を払いつつも、時々そのずる賢い提案をうまく利用して得をするようになったと言います。キツネはというと、今度はもっと狡猾な計画を練ることに夢中でした。



ギャグ編





山奥の川辺で、クマのタケルが釣りをしていました。身長2メートルの大きな体で、小さな釣り竿を握るその姿は、どう見ても「釣り人」というより「釣られる側」です。そこへ、キツネのケンジがやってきました。


「タケルさん、そんな細い釣り竿で何してるんですか?お風呂場で麺類でもすくってるんですか?」

タケルはニコリと笑って答えました。「今日は特別な日なんだ。自分で捕まえた魚を食べてみたくてね。」


ケンジは鼻をピクリと動かして、「へぇ、そういうのって、もっと楽にできる方法があるんですけどね?」と妙に意味深なことを言いました。


「楽に?それってどういうこと?」

「夜になったら、尻尾を川に垂らしておけばいいんです。待ってるだけで魚が勝手に引っかかるんですよ!」


タケルは目を輝かせました。「本当かい?そんなに簡単ならぜひ試してみるよ!」


夜になって


タケルは尻尾を川に垂らして座りました。キツネのケンジは茂みの中で、ひそひそ笑いながら観察しています。

「フフフ、凍った尻尾で朝になったら『お医者さんに見てもらえますか?』って泣きつくタケルさんの顔が楽しみだな!」


しかし、夜が更けるにつれ、予想外の展開が。タケルの尻尾がいきなり「ぐいっ!」と引っ張られました。

「な、なんだぁ!? 俺の尻尾にダイナミックに絡む奴がいる!」


タケルが尻尾を引き上げると、そこには巨大な魚がぶら下がっていました。まるで「タケルさん、待ってました!」と言わんばかりの魚です。


ケンジは目を丸くして飛び出しました。「なんでだよ!? あの話、完全にでっち上げだったのに!」


タケルは笑顔でケンジに向かって言いました。「ありがとう、ケンジ君。君のおかげで今夜はごちそうだ!」

そして巨大な魚を抱えながら家に帰っていきました。


ケンジは悔しさで地面をバンバン叩きました。「なんで俺が嘘ついて、俺より得してるんだよ!」


その後


次の日、ケンジは再びタケルを見つけました。今回はタケルがカゴを持っているのを発見します。

「タケルさん、今日は何してるんですか?」

「昨日の魚を塩焼きにしたんだけどね。美味しすぎて、追加が欲しくなっちゃってさ。」


ケンジは悔しさを隠しきれず、「それなら尻尾を川に浸すより、川ごと家に引っ越したらどうです?」と皮肉を言いましたが、タケルは真剣な顔で答えました。

「それだ!川を家に持ち帰る方法を考えよう!」


ケンジは完全に負けを認め、頭を抱えるしかありませんでした。




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